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2017年11月15日 (水)

こわれゆく世界の中で 映画

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 タイトルは物々しいが「世界」ではなく「こわれゆく家庭の中で」です。建築家ウィルはリヴとその娘と同棲、共に暮らした。ビーはウィルの実娘ではなく自閉症児、リヴとの間はしっくり行かなかった。
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 つまり同棲は失敗で、ウィルは母娘と別れたがっていた。だが同棲は長くなり過ぎた。ウィルは意識下で解放を求めた……文章でなら大筋こうだが、映像でどう説明するか? この映画ロクに説明してません。
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 おまけに英語映画だし、私には分かりません。見終わった後にコメンタリーで「え、そういう話だったの」テナもんです。英語が出来る人なら分かるのか読めるか? まあ無理でしょう。単なる恋愛映画ではなくカルトムービーです。
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 ただアンソニー・ミンゲラ監督はこの手の話が好きで97年『イングリッシュ・ペイシェント』03年『コールドマウンテン』と、どちらも似たような細部はありました。今回は身障児に原因があり、私はそこが興味深い。
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 身障児がいると母子関係が濃くなって、一般にも夫、お父さんは行き場がなくなる。小規模には健常者と友人関係でも起こりうるので困ってしまう……これほど典型ではないが、まあ有りうる話です。こういう話は一般に邦画に出て来ません。
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 夫婦、子という三角関係に次児が生まれ、四角関係に発展して問題は自然解決というか、解消していく。だが身障児というと自然解消とはいかない……そういう話ですが、ウィルの浮気相手アミラ、この未亡人の息子も高機能自閉症らしい。
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 ウィルの事務所に強盗が入る。犯人は鳶職のような高い身体能力を持ち、盗賊団と関係しているという設定です。書き忘れたがビーも似たような身体能力で、体操選手を志願してます。同じような二組の親子の間に、ウィルは同時に介入することになる。
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 監督脚本のミンゲラさん、何を書こうとしているのか? 一組の愛には答えがないが二組の愛には答えがある。二組の家族の間に立って、ウィルは連立方程式を解くように答えを導き出します。ただネエ……設定が異常というか?
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 ミンゲラ監督自身が高機能自閉症、アスペルガーを認めています。ウィルやアミラは嫉妬心が薄くて素直に愛を受け入れます。普通は嫉妬心が邪魔してチャンスや、見出された解決策が受け入れられない。感覚が大人なのです。
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 この映画はトリッキーというか奇想天外な映画ではないか? コメンタリーによると本作は140分の大作だったのを(監督には標準サイズ?)120分に縮めた。アスペルガー説明部分も切ったと言います。それで判り辛い部分があるのか。
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 逆にいうと映画公開があまり不評なのでコメンタリーを付けて説明したのではないか? そう思われます。未公開シーンでは生理を嫌がり、大人になるのを拒絶するビーとか、母の仕事を嫌がる息子の様とか、内向する病気の欠陥を指摘します。単に病気による欠陥ではなく、それは社会の欠陥、国が持った欠陥に似ている。そういう意味では「こわれゆく世界の中で」いや間違いない。

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