« 若冲の鶏 | メイン | 水泳やめる理由 »

2017年10月23日 (月)

若冲の雪

Zyakutyuyuki

 元気塾で講演会がありました。今回、講師は県立美術館の金子岳史さん。「若冲とみやこの美術」細見コレクションの精華……話題の絵師、若冲というので注目しました。謎の浮世絵師は写楽だが、若冲のどこがどう注目なのか……この段階では分かってません。
.
 金子先生に質問しお答えをいただき、何とか書いてます。金子先生は色んな流派を勉強して後に若冲流を打ち立てている……若冲には特別性はない言うか、お考えで……私は時間や年月の受け止め自体、感性に特色を感じます。
.
 前回、書いたように鶏はスーパーリアリズムの概念に合致します。だが鶏以外の題材については符合しない。竹に降った雪などはリアルでなく普通に見える……関羽とか宝珠とか縁起物、誰にでも喜ばれそうな絵も、後年は色々と描いています。
.
 すると絵全体はーパーリアリズムや高機能自閉症の符合はない、ようにも見えます。琳派や狩野派に入門するには年齢的に遅かったのか? 何か不都合があったのか、そういう謎解きいうか理由が必要です。
.
 若冲は結果としては長生きするが、40才を目前に絵師になっている。人生50年なら、急がなければト考えたのか。その画号の意味は老子の言葉から自分で付けたらしい。「本当に満ちている物は空っぽに見えて、その働きは枯れる事が無い」の意味。
.
 物事には見かけではない深い意味がある、いう所でしょうか。孔孟が主流の中では、老荘は亜流になります。人間社会の表面的な規則より、自然に生きる意味を重視した。動植採絵などのネーミングに、そういった哲学性が出ます。人付き合いよりは生死が問題といった考えです。
.
 溶けかかる雪に関しては鶏のようなスーパーリアリズムは断念されたらしい。雪は菊花に降り掛かって僅かに花びらが見える。つまり初雪か、それに近い季節時候です。夜から朝にかけて雪は振り、今は止み昼の光に溶けていくのでしょう。
.
 下手をすれば醜い。なぜなら菊や植物の茎を伝う雪とは、高層から地上まで空気中の汚染物を吸い込んで、ただの泥水です。だが、したたりは泥水とは描かれず、白い雪としても描かれず、中間的な若冲的な象徴として、絵の中に存在します。これは私には不思議に見えます。
.
 微妙な移ろいに時間が過ぎていく。年末年始の大きなイベントではなく、若冲は、その前の秋の終わり冬の始まりに注目します。人で言えば中年から初老に向けての時期がある訳で、例えれば小津安二郎の映画のようなブラッドベリの短編集のような味わいを感じます。
.
 戦国時代はともかく、中年も初老も江戸時代にはありました。それは数年だっと思われ、今のように10数年なんなんと長く伸びた時間ではなかった。今は中年以降を水泳ピラティス、お能やダンスによって体を維持しないといけません。不用意に数年、何もしないでいると恐ろしい状況に陥る。
.
 前回、書いたように朝早くから食べ貯める鶏のように、中高年は金力ならぬ筋力を貯めなければならない。昔は知らず今は鶏は空を飛ぶ訳ではない。なぜ勤勉に食べ続けるのか? 雪の寒い朝ぐらい、少し遅くまで寝ていてもいいじゃないですか、ねえ。
.
 人に飼われ飛ばなくなった今、鶏の一生はいったい何を意味するのか? 解け溶けかかる雪は何を意味するか? 100年後ではなく1000年後と若冲は言いましたから、私の出番ではないのでしょうか。若冲の絵は解けない謎のように存在しますなあ。

.
●同美術展は10月24日に後期に入ります。11月12日まで熊本県立美術館本館2Fでの公開となります。まだ行かれてない方はお急ぎ下さい。

●なお次回、元気塾は。

◆日 時 平成29年11月22日(水) 18時~20時
◆場 所 熊本市流通情報会館5F 第1研修室
◆内 容 『パルスパワー技術を駆使した
        イノベーション創出と日本の産業復活』
◆講 師 熊本大学パルスパワー科学研究所前所長
       名誉教授 秋山 秀典 氏

〒862-0967 
熊本県熊本市南区流通団地1丁目24番
熊本市流通情報会館
TEL 096-377-2091
FAX 096-377-2096

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.bbiq.jp/t/trackback/394232/34089139

若冲の雪を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿