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2015年8月11日 (火)

はじまりのみち 映画

Hazimari_2

 常識と良識は違う……常識は一般的な見方で、良識は常識を越える見方でもある。ひとつの見方が良識か否かは、しばらく立証を待たなければならない。
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 木下恵介監督の映画には特徴があって、物語に深い感情が流れる。もっと悪くいうと、監督は並外れたマザコンです。感情が深いだけでなく頑固なので、何人に反対されても、説を曲げません。
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 いよいよ戦火が激しくなる。一家は母を奥地に移動させる段になる。弟、正吉(恵介)は母をリヤカーで運ぶと主張します。母は脳溢血で半身不随、言葉もままならない。
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「バスでは無理」との庄吉の持説は、「エライ」大変という家族の中で孤立する。本人、母だけがリヤカー案が支持する。やがて兄はサポートに回り、便利屋も雇う。この4人旅が「はじまりのみち」の主物語になる。
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 弟正吉のいうことを兄や父が聞く。逆いうかネジレが、物語の前提になる。兄や父も本当は納得していないのではないか? 旅行中に反対案をいうのは濱田岳さん演じる便利屋です。
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 弟に従う兄の屈折した心理を演じるのはユースケ・サンタマリアさん。セリフのない母を演じるのは田中裕子さん、主役の木下監督を演じるのが加瀬亮さん。
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 誰もいわないけれど常識では無理と思う。そんな事をしなければいいのに思う。観客もそう思う。そういう中、一行は奇跡のようにたどり着く……木下映画はある意味で米映画に似ている。キリスト教を信じれば奇跡が起こるいう話です。
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 むろん木下監督はそういうつもりはない。ないけれど似てしまう。この旅も弟原案を兄がアレンジしたから成功したのですが、兄の手柄にはならない。その部分は米映画と違う。黒沢映画とも違う。戦後日本の精神構造……いうほど大袈裟なものではない。
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 どちらかいうとニューシネマに心を置いた、私などは木下映画はそう見えます。アメリカナイズと言うと誤解だが、日本は意識無意識、アメリカと矛盾しない生き方をしたので、無意識の良識と言えます。ただ何時まで続くかと言うと……
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 無理な登山計画の中、遭難という話はよく聞きます。何とかなるはずが何ともならず。今からは奇跡は起きないかも知れません……となると映画にもならない。善意に善意に解釈しても、TVや新聞の訃報にしかなりません。

●現在、gyaoでの無料視聴が可。

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