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2015年6月26日 (金)

早よ死ねと……

Kani

 豊かな老後はない……ト断言してもいけないが、それに近い話や噂は流れる。たとえば、付近で評判、腕のいい眼科で白内障の治療をした山下さん(72)は口ごもり、その病院名を言わない。一年以内に合わなくなったらレンズを交換する。それは口約束に過ぎなかった。見ずらくなっても処置はなく、そのまま。

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 正社員でないのなら、厚生年金もかけるべきでない。だが、そんな社員にも集金がかかる。30年後の年金額が7万を越えない算定なら、その時は生活保護を取るべきです。だが生保はハジと考える風潮は、まだ残る。

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 生保を下回る年金額で、どう家賃を払うつもりか? そんな30代は多い。彼らをまだ若者というか、もう中年と呼ぶか? どちらにしろ彼らにも老後はやってくる。

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 山下さんからは事前に質問があった。安いメガネを作るよう私は答えた。眼科は厳密に合わせようとするが、老人の目は変る。2~3万のメガネは、フレームは立派に見える。よく見える期間は短い。

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 たとえばだが、長い習慣から抜けられず、退職後もスーツを着る人はいる。ミエは流行らないが、それが生き甲斐なら止められない。

「4800円のメガネってあるネ?」山下さんは聞く。

――検査からして短時間ですネ。だから店が空いている時に行くと丁寧になります。

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 私は検査表を壁に張って見え方を、左右を計る。平均をとって度数を出す。店で「ツウステップ上げて」とか、度数強めてと、自分で指示を出す。検査表はメガネ店で売る、くれる所もある。

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 信頼すべき会社に何十年か勤め、会社と一体になった。今は信頼すべき物を頼りに生きられる時代か? 解雇は珍しくなく、平均寿命は80代まで伸びた。運転が出来れば運転する自分は変らず、パソコンが打てれば打つ自分も変らない。

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 会社は自動車を運転せず、会社はパソコンも打たない。厚労省はまた不様をさらけ出し……頼りになるのは自分だけ、そういう時代になった。面倒がって自己管理を怠れば、報復も自分に返ってくる。

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 ハジや外聞がいえるか? 下流老人という言葉を聞かれたことはないか。下流老人の定義は、家族がいない単身で、無年金あるいは額が不十分……そうなれば70才を越えては働けない。今の話ではない。将来そういう人は、もっと多くなる。

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 たかがメガネというけれど、安いと見えるは同居しない。つるの具合をみてレンズだけ交換するか? 保険に入るか貯金にするか? 高齢になれば健康不安もありうる。判らないと何も考えないのも自己責任……

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 個人差はありますが、70才を越えると働けなくなる。その先が20年も、あります。人と同じも考えもの、困るのはあなた自身なのです。今よりも厳しい判断を強いられる。

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 山下さんは何を思ったか「早よ死ねトいうことか」とつぶやく。

――それを言っちゃあ、おしまいよ。

 マネたつもりだが渥美清にどれだけ似たかは判らない。その時は約9割が、数値に間違いはない。約9割が下流老人になるトいう。豊かな老後はない言われる所以です。

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●藤田孝典「下流老人」

●画像は川崎の無料低額宿泊所の火災。宿泊所は不法建築物だが、事実上、高令老人の収容施設になっており、行政も同じ構造建築を紹介したという。

●無料低額宿泊所については、火災事件の前の2015・4・2に書いている。

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