« 夜間頻尿その後 | メイン | 漱石書簡集 »

2014年10月18日 (土)

交差点(小説)

015031

 夢に出て来る光景、これは何処とはっきり判る、場合もあります。よくは判らず、あの辺りに似ている。昼近くに思い出し、ああト納得する場合もある。夢に会う人物についても同じ事で、心当たりのあるような、ないような人を夢に見る。それは気になります。

.

映画館に行こうと歩いて行くと、女の子が出て来てアニメに行こうという。知らない子で中学前後、小学なのか高校なのかは、はっきりしない。そういう夢です。

「君はどこの子だっけ?」そう聞くと、

「教えない」という。

「名前は?」と聞いても、

「教えない」と答える。

その癖なれなれしく腕を組んできて、 「この前、一緒に行ったアニメはよかったよ」という。

 むろんこの子と初対面のはずで、私にはアニメを観に行った記憶はありません。

「そうだっけ、一緒に行ったの?」と聞くと、

「そう一緒に行った」その子は答えます。

「はて何を見たっけ?」と聞くと、

「思い出さないの。思い出すまで教えない」と子供はいう。

「じゃあ、これから行く映画はやっぱり『アナと雪の女王』だろう」と言うと、

「違う、アナに行くのなら一緒にはいかない」少女は立ち止まってしまう。

組んだ手もほどいて悲しい表情をする。その表情の中には幼いが女がいる。

そう私は思い、言葉をつごうとするが機嫌を損ねた女は、もう私にはついて来ない。それが誰だったのか、どこへ行くはずだったか、前にどこで逢ったか……

.

なぞなぞを全部解かなければいけない。そうでないと人の機嫌は悪くなる。私はまた、いつの間にか一人で歩いています。すると後ろにいるはずの女の子は、私の前に突然、また現れ、

「そういう事よ、あんたは」と私を叱ります。むろんどういう事なのか、私には判りません。

女はもう子供でも少女でもなくなり、なぜか若い女になっている。鮮やかに化粧した女の顔に、どこか心当たりのあるような、それでいて一度も見ないような……女の夢はそこで切れる。そして私は目が覚めるのです。

.

 私は朝から出かけました。そして交差点まで来た時、声をかけられます。

「あら、――さんじゃない」振り返ると女が立っている。夢ではない現実の中で、女は夢のあの子に似ている。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.bbiq.jp/t/trackback/394232/32858021

交差点(小説)を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿