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2013年10月28日 (月)

泣きたい集計

Yakusoそれで思い出したのは雑誌のこの記事です……小説は「どのくらい泣けるかものか?」と言っても、私は泣くために小説は読まないのでリアリティはない。石田衣良さんの「約束」、浅倉卓弥さんの「君の名残を」、玉岡かおるさんの「蒼のなかに」……記事でのベストには3冊の小説が上がっています。
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妥当な選択なのか違うかは、私には判りません。女性小説なら女性が書いた物の方がふさわしい。そんな気もするが女流作家は、4位以下に一人も上がりません。笑いの為の小説はないが落語を摸した小説はあって、意味はそれと大差ないかも知れません。記事は小説の泣ける度を、こう集計をします。
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1位、約束 泣けた9票 まずまず2票 泣けない4票
2位、君名 泣けた7票 まずまず5票 泣けない3票
3位、蒼の 泣けた2票 まずまず8票 泣けない5票
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「約束」は小学生が主人公で、つい泣いてしまうと評価が付きます。女性は自分と子供を重ね、その感触や匂いを蘇らせながら読まれる。むろん泣きはしないが感動した、そういう評価もある。だが自分が身代わりにという客観視点になると、そこは拒絶的です。
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「君の名残を」は現代の高校生が主人公で、戦国時代に飛ぶ話。物語が立っているので、細かい所を飛ばして、読みは雑です。歴史上の人物たちは歴史通りに死に、主人公たちは現代に返る(らしい)その別れに泣く訳で、ある程度の読解力を必要とする。だが乗り切れない人も……本当は再読が必要です。
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「蒼のなかに」は、旧家に生まれた主人公が苦難の現実を生き抜く一代記、半生記か? 人生全体を想起、見通して読まれる。そこを女こそが男以上に戦士ト読まれた方もある……反面、上司や部下との関係たとえば不倫を伴なう。その複雑な相関関係の体験を拒絶する人もある。
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誰でも体験がある部分は共鳴しやすい。小さな子供には誰もが共感する。しかし次第に大人になり、個人差が出始めると、その共感も分かれ難しくなって行く。完全に大人になった処で、共感対象は大きく分かれてしまう。不倫関係について共感しようがない人もある。すると素直に泣けないのです。
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モテた人とモテない人でも、極端に体験差が出来てしまう。体験差が物語の人物にも投影される。涙や感動を挟む、挟めないの鑑賞力に違いも出来るト私は思います。つまり作者が誰か、その巧拙より、描かれる人物によって泣ける度が決る。私のように大学に行ってない人は、高校生止まりの小説の方が泣き易い。
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社会体験がなく学生結婚した人は、端的には上司や部下とのやり取りは読み取れない……実感がわかないから泣けない。まあその可能性は高いでしょう……あくまで泣く事を目的に読む場合、集計結果はそういう内容を物語ります。お前の意図的な分析もあろうト、そう言われば認めます。
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記事では、作者に向ける表現で「ただの発散」と書きます。なぜなら国内でも児童虐待は増え、イラクでは戦争に死んでいく子供はいる。そんな死に背を向けた小説を「ズルイよ」と非難します。その尻馬に乗るように私も言いましょう。真の戦士は怒る、泣いて涙で何が変えられるかト。
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気になって再読し書いたら、こうなりました。むろん集計数字は変えていません。なぜ雑誌記事を思い出し、なぜまた再読したのか? 私はまだ書いてませんがその理由も、もういい気がします。思うようにならない。泣きたい物に泣き、笑いたい物を笑えば、とりあえず安心できます。現実ってそういう物でしょ?

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