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2013年1月27日 (日)

ロートレックを読む~大原美術館展2~

Mx 何の絵を描きましょうか? 今、一枚描くとしたら何を描き、昔、そうですね20才だったら何の絵を描いたか、それも考えて下さい。それから何時とは言いませんが死ぬ直前に、一枚描いて下さい……それは何の絵でしょうか?

 

今日また、大原美術館展に行きました。村上哲主幹の話を聞いたのですが、そのまま原稿化しても仕方がない。村上さんの原稿は熊本日々新聞に出ているので、そちらの方をご参照ください。私の意識を書くと冒頭のようになる。

 

今回の絵画群の中で、一番高価なのはロートレックの「マルトⅩ夫人」という。今までに県立美術館に来た絵ではモディリアーニなどが最高額で、その3倍という……それであの絵がチラシ、ポスターになっているのか。

 

絵を金額で評価してはいけません。それでⅩ夫人は誰なのか、肖像画としては何を描こうとしたのか、判らない。晩年のロートリックが、何をどう頼まれたのか? それも判らない……すべて謎に包まれるという。

 

Ⅹ夫人は、ほぼ逆光の中で本を読んでいる。光源と本の関係はこれが正確です。この位置だと本に影が射さない。でもこんな顔の見え難い構図を、なぜ選んだか。そう考えると私は最初の問題を思い浮べるのです。

 

私が好きと言ったキリコは、夫婦が生き別れるシーンだそうです。この他、中村ツネの「頭蓋骨を持てる自画像」などが迫る死、その不安を題材とします。ロートレックもそうではないか。

 

自分の死を直視し、たとえば葉はしおれる。嵐が来れば枝は折れる。じゃまになると根からヘシ折られる。明確な意識を持った人も、その意識通りには生きられない。それであらかじめ予測可能な現実を見てしまう。

 

ロートレックには、近親結婚を繰り返した故に弱った血の因果があった。弱る体を肌色の補色、緑の反映の中に描いた。肌色は血色であり、その陰りは緑色。緑カビが生えたように見えますが……そういう関係にある。いま生は人からカビに乗っ取られようとしている。

 

Ⅹ夫人は元気には見えない。それは描いているロートレックの肉体状況をも反映している。捕色ではっきり死期の近さを示す。しかもロートレック個人死ばかりでなく、貴族一族の死、あるいあはヨーロッパの死さえ暗示する。

 

本は歴史を暗示する。読んでいる本から目を上げ、今現実を見た時、欧州が終ろうとして見えた。表情のない暗い眼差しをそう解釈しなければ、どう解釈出来るのか? ひとつ、おバカな心理ゲームで遊んでみませんか?

 

何の絵を描きましょうか? 今、一枚描くとしたら何を描き、昔だったら何の絵を描いたか、それも考えて下さい。それから何時とは言いません、死ぬ直前に一枚描いて下さい。それは何の絵でしょうか? その絵、近いのでかまいません。その絵を壁にかけて見ませんか?

  

●「マルトX夫人-ボルト」ロートレック、死の前年、南仏ボルドーでの作。飲酒は関節を痛めるとされ、ひばりさんの股関節も同例という。緑の椅子の女は陰が深い油彩、肖像画としては不自然な角度だが、コピー画も人気がある。

●大原美術館展の初回は12・15に書いてます。

 ●シュブルールの色彩調和から対比 色相対比の調和 補色の調和、彩度差も大きい調和

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