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2012年10月30日 (火)

冷たい熱帯魚 映画

Tumetai 

 埼玉愛犬家連続殺人事件は、あらかじめ完全犯罪を計画していた。それを警察よりマスコミが先行報道します。残忍でヤクザまがいの荒っぽい手口で知られ、ファンが出来た。それがこの映画「冷たい熱帯魚」です。

 

 

 

猟奇的というより、犯人たち一家は主従だった。主従をめぐって暴力と自己顕示欲を争った。犯人の一人は実刑後、顛末を出版するなど特異性がある。私はあの事件を忘れていたが……映画化には当然な面もある。

 

犬を熱帯魚に替えて映画化です。そういう意味では、はっきり裏の取れてます。吹越満さん演じる主人公は、若い奥さんをもらいます。高校生の娘がいるが、家が面白くない。吹越さんに当付けに万引きします。

 

吹越一家はすでに破綻していた。吹越さんが家長としては二人をリード出来なかった……娘の万引き事件をきっかけに、同じ熱帯魚屋のでんでんさんが、一家を状況をリードし、吹越さんを手下化してしまう。

 

協力と従属は違う。しかし愛情と憧憬は微妙です。「みなさん、さようなら」ではガンの父に、息子は麻薬を勧める。状況が状況なので判りませんが、息子による支配かもしれない。

 

数十万の熱帯魚を数千万と売りつけ、金を取ると客を殺してしまう。死体をバラバラに解体して処理してしまう。「でんでん」さんは気の小さい面と大胆な面を合わせ持ち、妻や同業者を率います。怪演です。映画はバトル・ロワイヤルに似ている。

 

桐野夏生さん原作のOUTにも似ています。人を平気で殺し、それをおぞましい方法で処理する。バトルやOUTと違うのは、ヤクザまがいへの憧れ、生きる強さとして尊敬がある。カメラの目線が吹越さんやでんでんさんの目線に重なっていく。

 

観客は、でんでんさんの子分になったような、吹越さんの友達になるような近しさを感じる。よくあるヤクザ映画よりは、あいまいな支配が映画の売りになります。刑事や警察、マスコミ、社会からの視点がない。

 

私は、残忍でヤクザぽい手口、異常な支配への憧憬を感じる。それが嫌です。一匹、数千万円という熱帯魚や犬は、ある意味で私たちの日常への侮蔑です。確かにバブル期の空気、社会、事件にはそういう面がありました。

 

吹越さんは出色の演技、もっと良かったでんでんさんはこの役だけで賞を取っています。しかしこの映画は根源的な意味で卑しく、人間の尊厳が感じられません。

 予告 http://www.youtube.com/watch?v=pc2kzzTBlCE&feature=related

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