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2008年5月21日 (水)

雨の美術館で

展覧会は県立美術館本館、定休日を除いて6月15日まで、吉村作治先生のトークショー等は、この後5月30、31日に予定されています。問い合わせは352-2111まで。

雨の中を美術館に向かいます。雨には死の意味があると書いたのは漱石ですが、それは小説の中の事……現実での意味はありません。まつわり付く湿気は春といえども、うっとうしく、いえ美術館での障害者の日が、今日と聞いたのです。

吉村作治さんの発掘展は見て置かなければとは思うものの、あまり得意分野ではなく、まだ行っていません。雨だから身障者がゾロゾロは無理と思いながら、一応カメラを下げて行ってみます。これ、ブログねたになるかなあ。

「生」はそれほど楽しい事ではない。私がそうなのか、身障者がそうなのか? 入院していた頃の事を思えば、雨の日だろうが何だろうが、嘘のような気はします。私の今日の生は、ミイラたちが生前に願った永遠のように、私には感じられます。

この所、足が痛くないのでそういう感じがします。ピラミッドの中の王侯貴族にとって、生のあの世の向こうまでも延長を願うような、楽しいものだったかどうか? その辺になると、私はどうも判りません。

判っているのは墓泥棒、それに類する人にとって他人の死と願いとは、金にすぎない。あの世を願う人はミイラ処理に金を出し、副葬品に金を出す。石切と運送と彫刻や装飾にも金を出します……今、私はそれを見に行くために金を出す。

いえ身障者は無料ですから、私も「見」泥棒と言えない事もありません。吉村さんは掘り出した物は研究に使うほか、全部をエジプト政府に返しておられるそうです。美術館内に入ると一人、知人に会いましたが身障者は、ほぼ来られていない。

「よければ案内しましょうか?」と言われるのはK岡M子さん。
キャリアウーマン風のスタイルで、解説も水際だっている。解説ボランティアではない気がします。その辺は聞きそびれました。
「スカラベ、シャブティという小像、指輪やイヤリングの装飾品も焼物が出ています」

――これらの焼物は上薬を使ったのでしょうか? それとも素焼きに色を塗っているのか?
「上薬って何ですか?」
――2度焼きです。薬をかけて焼いたようにも見え、素焼きのようにも見えます。
「素焼きです。だと、思います」

そのうちツアー客の数が増えて来ます。私も質問は控えます。若い時は一瞬、人の命さえ長いものではない。それに比べれば焼物や宝石は永遠です。スカラベの甲羅は黄金にキラキラと輝いたものでしょうか。

土の中から這い出して空に向かって飛び立つ、ありふれた虫です。それを指輪と合わせて副葬したエジプト人は、どちらにも同じ意味を見ました。再生して魂は古い体に帰って来る……そう考えるには、私の足はいまひとつ、よくない(笑)

K岡さん、あなたのガイドはとても面白かったです。外に出ると雨は降り続けていました。展覧会は県立美術館本館、定休日を除いて6月15日まで、吉村さんのトークショー等は5月30、31日に予定されています。問い合わせは352-2111まで。

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