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2007年12月30日 (日)

映画「薬指の標本」18R

ギャオで「薬指の標本」18Rがかかります。これは厄介な映画です。
観てもよく判らないので、私は自分が男だからと納得しますが、こういうのは納得できない女性もいらっしゃる。小川洋子さん原作で監督脚本も女流で、そう納得してもらえればいいのです。

純文学の原作が100枚くらいの短編で、それ膨らました仏映画です。純文学って判ります? ストーリーがなくても合理的な展開でなくともOKという約束になります。マンガで言うと佐々木マキさん、今では絵本作家になられてます。

永島慎二さん「黄色い涙」も最近、映画化されましたが……ありゃ合理的な展開でした。そうではなく「ネジ式」つげ義春さん、かわいくない少年が「メメクラゲに刺された」と言って海から上がって来ます。ズボンはいてるから泳いだ訳ではない。

合理的な説明がない、でも約束です。この映画も薬指を切るシーンから始まりますが薬指に意味はない。メメクラゲには性的な意味があるト思われました。それが編集者の誤解で、××クラゲを読み違えた。つげさんが「その方がいい」とOKしたらしい。

タイトルにもなっていますが、薬指に意味はないと思います。絵がキレイでモデル風の女優で……私は音楽がセンスがあると思います。でも音楽だけ取り出すと、どうかな? 死刑台のエレベーターのマイルス・デビスみたいに音楽だけ取り出すと、ネ!

BGV風というか、正座して鑑賞の映画ではない。ネジ式みたいに性の周辺のイメージで遊んでいるのです。それとも性遍歴の1ページというか、そういう風に解釈してます。この後、靴磨きの小父さんなんかに相手が移って行くのでしょ。

上品にまとめてあるけど下品にやっても面白いかも。ケバケバした毛皮に咥えタバコの姉ちゃんが、ピンサロからピンサロへ仕事先を変えるみたいな……そういうのも好きだけどなあ。まあ、そうすると原作者のOKは出ないでしょう。

純文学らしい行き詰まり感もあってイメージが過去にあります。博物館のような事務所、港、宿屋……一方で主人公が若く、未来を持て余すのです。意識的に新しい物に目を向けず、必要を閉ざそうとします。その欺瞞が退廃になります。

つげさんのマンガにも退廃はあって、行詰まりの原因になります。佐々木さんもそうでしょうね。永島さんも閉塞したのかなあ……マイルスはエレキで打破します。ただ音楽として残ったのは倦怠の漂う方みたいですけどね。

夜の町を運転するのにカーステレオのBGMはマイルスと定番化します。この映画と似た意味があるのです。「薬指の標本」はギャオより音や絵のきれいなDVDで見た方が映える気がします。お正月、観てもよく判らない純文学、贅沢な倦怠に浸ってみません?

え、マイルスのCDでドライブ? 年末年始は道、渋滞しますよ。

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