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2007年4月24日 (火)

犬の勝敗

それでなくとも言葉は不思議なモノですが、酒井順子さんが言った「負け犬」という言葉は特別不思議に属します。負組ではなく負け犬です。むろん犬ではありません。30才以上、未婚、子ナシの女性……トいうのが御自身による定義で、酒井さんもそうです。

簡単にいうと女の負組となりそうです。これはへりくだった言い方で、酒井さんは自分を負組とは思っていない。むしろ独身の勝組を指している、そんな気が私はします。酒井さんはフランクな人ではありません。

酒井さんは負け犬と、ユーモアをこめ自嘲的にいったと言いますが、そうも聞こえません。既婚と独身の価値観をむしろ逆手に取って見えます。社会を構成する家が壊れ、家を構成する家族が壊れ、夫婦が壊れる……今、個は一人ある事が、快適ではないか?

そう問いかけて見えます。私は、それはそうだろうと思います。
「結婚しないの?」と聞かれた時に、私は相手の了解が下りないとか、病気の再発に怯え戦いている事を一旦、棚上げ、
――どこに居ようが心が彷徨う。流れモンに女はいらねえ。
映画のセリフをもじって返事したことがあります。

負け犬という言い草には近いモノがある。つまり棚上げされたのは何か、見なければなりません。酒井さんのお母さんは、
「結婚はしなくていい。子供は作っておきなさい」
意味の事を言われるそうです。

負け犬は酒井さんの独立した考えではなく、お母さんとの共同謀議の結果の答えです。私の知り合いにも元気な女性がいて仕事と子育てを、一応、両立させています。両立というと聞こえがいいのですが、子育てはお祖母ちゃんに任せました。

お祖母ちゃんの援護なしに仕事は成り立ちません。その意味では本人よりお祖母ちゃんが元気なのです。仕事に専念、本人は嫌がりますが有体、そうな訳です。では、その娘が仮に同じ事をしたいと母に相談したら、本人は育児が出来るのか?

問題は時間です……娘が若い時だからお祖母ちゃんも若い。だが本人が年取って、30を幾つも過ぎる頃には状況も厳しい。酒井さんのタイムリミットも、そう長いものではありません……私? 私の結婚のタイムリミットは最初からありません。

病気の再発にタイムオーバーは無く、発熱はいつでも突然やって来ます。病院の外来の忙しい朝、むろん回診の午後も、看護師がタバコ吸っている真夜中でさえも……白い病熱の中を犬のように彷徨い続け、私はそこがベッドの上だと知ります。

目前に仕度のいらない、また旅が広がります。
「性愛」格差論、本題に行かないうちに終わってしまった!

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